研究内容をひとことで言うと?
専門は環境政策・持続可能な地域づくりです。過去には、日本列島改造が叫ばれたり、リゾート開発などの大規模開発が優先される時代がありましたが、現在では、環境保全への取組みが地域活性化につながると理解されてきました。2000年以降は各地で先進的な持続可能な地域づくりの取り組みが動き出しています。そういった先進地域を調査・分析・提案したり、実際にアクションを起こして観測する社会実験(アクションリサーチ)を試みたりしています。
サステナビリティに興味を持ったきっかけは?
静岡県の浜名湖の近くで育ち、水質汚濁の問題を身近に感じました。公害問題が深刻な時代に幼少期を過ごし、水をきれいにしたい、生態学を学びたいという気持ちが自然に生まれて、高校では生物部で佐鳴湖の生物調査をしたりしました。
当時、日本に唯一だった「環境」の名がつく学科に進学した大学時代。関西国際空港や大規模林道の建設や原発の反対運動をしている人たちに出会って、自分の知らないところで問題が起きていることに気づき、「環境問題は社会経済問題だ」と感じたことが大きかったです。脳性麻痺の方の介護ボランティアをしたことも、社会の見方を変える経験になりました。
地球の好きなところは?
水だけがたっぷりあるとか、山だけが広がっているとか、自分の存在を超える大きなものがそこに形としてあるのが好きです。
小笠原諸島に行くときに船の上から見た大海原は忘れられない景色ですね。まるで水が横たわっている感じ。複雑に絡み合う生態系はとても大事なことだけれど、シンプルに大きなまとまりの持つ存在感に惹かれるんです。そうした大きなまとまりに身を置いて、自分や人間の小ささを感じる感覚が好きです。
一方で、マクロレンズで撮影して見えてくる、小さな生き物たちの美しさやたくましさ、はかなさ。何気なく見ているとわからないけど、見方を変えると見えてくるものに魅力を感じます。
地球上でずっと残したいものは?
もちろん、地球全体を残したいですが、自分が人類という種に属するので、やっぱり人類を残すことが大切です。
人類が積み上げてきた文化的、科学的な営みは貴重なものだと思うし、これからサステナブルな社会をつくり上げたうえで、人類が生み出していくものに期待したい。そのためにはゼロカーボンをはじめ実現しないといけないことがたくさんありますね。