研究内容をひとことで言うと?
今仮に「サステナブルデザイン思考」と呼んでいますが、誰にでも、どこででもサステナビリティを目指してつくることができるやり方・考え方を開発しています。年齢は小学生から大人まで、場所は学校でも、商店街でも、企業でも、どこでもできるイメージです。それはカードセットだったり、ボードゲーム、ワークショップマニュアルだったりします。
研究者として一番幸せだと思う瞬間は?
疑問がたくさんあります。「なぜ生命はそもそも生まれたのか?」「なぜ人間は環境を破壊しないと経済が成り立たないのか?」「なぜ人が人を搾取する社会をつくってしまったのか?」そういうことを考えて、「もしかしてこういうことじゃないか?」ということが見えてきた時、少しでもわかった時、すごく幸せを感じます。秘密を解き明かしていくワクワクがありますね。
プライベートで実践しているサステナブルなことは?
家族4人で35㎡の小さな家に住んだり、家の窓、壁や天井を断熱DIYしたり。ソーラーパネルと蓄電池で電気を自給してみたり。地域通貨を立ち上げたり、友人たちと古民家を再生したり。遊び感覚でいろいろ試していますよ!失敗することも多々ありますが……。
地球の好きなところは?
優しいですよね、地球は。地球が持っている、果てしなく広い心が好き。小さな子どもが大きくなって反抗しても、お母さんにとって子どもは子どもですよね。地球と人間の関係には、そういうのに近いものがあると思う。でも、お母さんにも限界があるし、お母さんそのものの命が削られて限界がどんどん近づいていることに気づきたいですね。
一番影響を受けた本は?
高校時代の美術の先生に勧められて読んだ『生きのびるためのデザイン』(ヴィクター・パパネック)が、僕にとって人生を変えるほどの衝撃的な本でした。それまで、なんとなくかっこいいものを創るのがデザインだと思っていたのですが、その本では環境破壊の大部分はデザイナーに責任があるという書き出しで始まってて、デザインが環境問題や社会課題を作り出しているだけでなく、解決策にもなりうる、と知りました。それが今僕が取り組んでいる研究「サステナブルデザイン思考」につながっています。