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エシカル消費

作成: 白鳥 和彦

エシカル消費とは何か

エシカル(ethical)とは倫理的な / 道徳上の /(社会規範に照らして)正しいとの意味で、エシカル消費を直訳すればと倫理的消費と訳される。しかし、現在用いられているエシカルとは多義的な概念であり、新しい価値観として捉える必要がある。
消費者庁によれば、エシカル消費とは「消費者それぞれが各自にとっての社会的課題の解決を考慮したり、そうした課題に取り組む事業者を応援しながら消費活動を行うこと」と定義している。
これは現在、地球環境問題や社会的課題などを抱える社会において、消費を通じて、社会的課題の解決に繋げる、企業を変えていくことの意味である。

SDGsとのつながり

2015 年に採択された持続可能な開発目標(SDGS)の 12 番目は、「つくる責任・使う責任」が掲げられている。ターゲット 12.8 には、「2030年までに 、人々が あらゆる場所 において 、持続可能な開発 及び 自然と調和したライフスタイルに関する情報と意識を持つようにする。」となっており、まさにエシカル消費の目指すことと同義である。

日常のあらゆることがエシカルにつながっている

衣食住あらゆる面で、私たちの身のまわりにある食品や製品は、原材料の調達、生産・加工、輸送、そして消費の段階とあり、さまざまな国、地域、人が関わっている。食品や製品を選ぶということは上流にあるさまざま繋がりのいずれか選ぶということでもあり、出来るだけ上流の人や社会、地球環境、地域社会などに配慮した食品や製品を購入・消費することで、社会課題の解決に繋がるのである。
フェアトレード、エコラベル(サステナブルラベル)、グリーン調達・ CSR 調達、社会的責任投資、ソーシャルマーケティング等々関連する事項は、地域 CSR 認定など、枚挙にいとまがない。

知る•学ぶことの重要さ

しかし、普段の生活の中では直接的に上流にある社会的課題に触れることがなく、エシカル消費という言葉の認知度はまだ高くない。電通の「エシカル消費 意識調査 2022」によれば、「エシカル消費」について「意味まで知っている」「名前は知っている / 聞いたことがある」を合計した名称認知率は全体で 41.1%(前回調査の 24.0% から伸長)であり、一人ひとりがエシカル消費や行動と社会との関係性について知る・学ぶことが重要である。
消費者庁は、Web サイトや教材の提供を通じてエシカル消費教育を進めている。また企業や関連する組織が集まったエシカル推進協議会などは、産業界および消費者のエシカルな取り組みを進めるためエシカル基準の策定なども行っている。

参考文献


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