高校時代の屋上菜園との出会いから最優秀賞受賞論文ができるまで。環境学研究科 修士課程1年生の村瀬嶺於さんがインタビューを受けました

本学科を卒業してそのまま本学の環境学研究科に進学した村瀬嶺於さん(修士課程1年生)が大学4年生時に書いた卒業論文「菜園活動がソーシャルキャピタルとウェルビーイングに及ぼす影響の研究」について、武蔵野大学学生広報課から丁寧な取材を受けました。
内容配下の通り。丁寧に取材してもらい、とても良い記事になっていますので、ぜひ読んでみてください。
屋上との出会いから論文執筆までの経緯
村瀬さんは高校生の時に本学のオープンキャンパスで工学部環境システム学科(現:サステナビリティ学科)の模擬授業を受け、授業内容にあった環境問題に興味を持ったそうです。その際に、有明キャンパス内にある緑で生い茂った屋上を見つけ、環境システム学科の先生が屋上緑化活動をしていると知り、この学科で学びたいと思ったのが入学するきっかけとなったそうです。しかし、村瀬さんが入学した2020年はコロナウイルスが流行し始めた時期であり、キャンパスに入ることができず、屋上に行くこともできなかったそうです。
有明キャンパス3号館の屋上 2年生になった時、数少ない対面授業の1つに環境プロジェクトという授業があったそうです。授業を通して、コロナ禍で人と人とのつながりが薄れてきていると学生や教職員が感じていたことを知り、その年の後期に担当教員である明石先生をはじめとした学生メンバーと屋上オープンワークというイベントを作ったそうです。
屋上オープンワークでは、有明・お台場という副都心の中にある有明キャンパスで自然との触れ合いや他者との交流の機会を提供しています。活動の様子① 活動の様子② ソーシャルキャピタルとウェルビーイングの高まり
村瀬さんが3年生になった2023年の11月ごろ、論文執筆のために屋上オープンワークの調査をはじめました。屋上を訪れた人へアンケート調査やヒアリング調査を行い、そこで村瀬さんは「屋上オープンワークが単なる菜園活動を超え、交流の機会や自己肯定感を高める場を提供していると感じた」そうです。
調査中、「屋上オープンワークに参加して学生生活が豊かになった」という回答や「大学をやめようと思っていたが屋上オープンワークによって大学に残ることを決めた」といったエピソードと出会ったのだとか。屋上に来る人の中には、都会の自然を全身で感じるために裸足で作業をする人もいたそうです。また、「あまり自然に触れる機会が少ない学生が、土に触れ、植物を育てることによりストレスから解放され、心の余裕を持つようになっている様子もみられた」と語っていました。そんな屋上オープンワークの価値に気づいた村瀬さんは、「良い状態、幸福という意味を持つウェルビーイングの向上が社会的な課題として注目される中で、屋上オープンワークは人と人の関係性を資本として捉えるソーシャルキャピタルの実践例として捉えられます。この活動の社会全体への応用可能性を探る意義は大きい」と感じたそうです。普段は交流する機会がない他学科の学生同士が親しくなることや、教職員と学生がリラックスした雰囲気で話す場が生まれることも多いそうです。
さらに、屋上オープンワークに参加すればするほど顔見知りの人が増え、つながりの輪が増えていくことによって、ソーシャルキャピタルが向上したり、コミュニティが出来上がったりするのだと考えているそうです。そして、初めて参加した人でも夢中になって草いじりをしたり、植物を観察することが好きな人が空間にいるだけで、その人のウェルビーイングが高まるのではないかと感じているそうです。「世界の幸せをカタチにする。」論文・作文・詩コンクール優秀賞(論文部門)~屋上から生まれるウェルビーイング 菜園活動を超えたつながり~ より
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「世界の幸せをカタチにする。」論文・作文・詩コンクール優秀賞(論文部門)~屋上から生まれるウェルビーイング 菜園活動を超えたつながり~|武蔵野大学広報課