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ファシリテーション(対話の促進)
ファシリテーションとは
ファシリテーション(facilitation)のファシル(facil)はラテン語で「easy(容易にする、促進する、円滑にする)」を意味し、参加者が主体的に体験する場のワークショップ、学習会や活動等において成果が最大となるように対話を促進することである。ファシリテーションを行う人は「ファシリテーター(facilitator:促進者、支援者)」と言い、教育現場、企業の組織や地域社会においてグループでのチームワークを引き出し、参加者の意見やアイディアの創造を促す中立的な進行役である。
ファシリテーションの進め方とスキル
ファシリテーションは、教育現場における学習の進行、組織の課題解決や社会活動の目的等を達成するために、プログラムや活動の準備といった外的なプロセスや、参加者一人ひとりの考え方などの思考的な過程、参加者同士の関係性等の内面的な心理プロセスにも関与する。ファシリテーターは集団の対話を通じて気づきを促し、課題解決のアプローチやアイディアの創出等の知識創造活動を促進し、そのチームの成果が最大化するための中立的な役割を果たす。
チームの成果を高めるためには、4つのプロセスによる場づくりが重要である。①意見交換・議論をする場をつくり、つなげていく「共有」、②相手の意見を受け止め共感し、アイディアを引き出す「発散」、③相手の意見をかみ合わせながらアイディアを比較・整理する「収束」、④意見をまとめて、分かち合う「決定」である。

ファシリテーターには、対話を促進するために5つのスキルが求められる。①相手を尊重し、耳を傾ける「傾聴」、②共に考え、問いかける「質問」、③記録して見える化する「可視化」、④参加者の動きや感情をよみとる「観察」、⑤振り返りの「内省」である。
ファシリテーターと持続可能な社会づくり
環境問題等の複合的な要因が重なる課題解決には、様々な利害関係者がいるため、多様な考え方を検討することや合意形成を図るための意見の交通整理が必要である。その際、持続可能な社会づくりを実現していくためのファシリテーターの果たす役割は大きい。
参考文献
特定非営利活動法人日本ファシリテーション協会(2023)『~ファシリテーションとは~』堀公俊(2018)『ファシリテーション入門〈第2版〉』日本経済新聞出版森時彦(2008)『ファシリテーターの道具箱』ダイヤモンド社